高校卒業と同時に私は実家を出ました。
ひとりでいろいろなことにチャレンジするためには、ひとり暮らしをしなくてはいけないと思ったからです。
両親は少し寂しがりましたが、私の気持ちを良く理解してくれて、快く私を送り出してくれました。
東京郊外の実家を出て、私は横浜でひとりの生活を始めたのです。
アルバイトで貯めたお金がありましたし、横浜でも新しいアルバイト先をみつけたので、
すぐにひとり暮らしをすることができて、そういう意味ではとてもラッキーだったと思います。
その頃になると、バンド生活にも少し飽きてきていました。
プロを目指しているわけでもないし、いつまでも趣味でバンドをやっているほど余裕があるわけでもありません。
そして、ひとり、またひとりとバンドを辞め、ついに解散となったのです。
私の周りにいる人たちとも親友をのぞいて、疎遠になってしまいました。
寂しい気もしましたが、仕方がありません。
当時私は昼間はカラオケ店、夜は飲食店でアルバイトをしていました。
ふたつ掛け持ちをしないと、生活をすることができなかったのです。
バイト付けな日々
そんな生活が4年ほど続きました。もうすっかり音楽に対する情熱は失っていましたが、
趣味で音楽を聴いたり、時々好きなアーチストのコンサートにでかけたりすることはありました。
そんな時私は心からゆったりと過ごすことができたのです。
しかし、まだ心のどこかで、このままで良いのだろうかという気持ちはずっと抱いていました。
学校の勉強をしたいという気持ちはなかったので、大学に進みたいとは思っていませんでした。
それよりも、将来のことを真剣に考えたかったのです。20歳を過ぎたころから、私は漠然と
自分にはどういう仕事が向いているのだろうかと考えることが多くなりました。
もちろん、いつまでもアルバイトで生活をするつもりはありませんでしたし、もっと安定した仕事が
したいという気持ちも強かったです。
私に合う仕事はなんだろう
しかし、じゃあ、自分に何ができるのか?と言われると、困りました。
まったく思いつかないのです。
ずっと音楽に携わっていましたが、音楽を仕事にするのにはやはり抵抗がありました。
音を楽しむことができなくなると思ったからです。音楽とはまったく関係のない仕事をした方が
良いのではないかと当時から思っていました。